別館第一倉庫

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続:ロッキード裁判を振り返る(その13)『立花隆から渡部昇一への質問1』

 「れんだいこ」氏のHPを見たことがきっかけで始まったこのシリーズ。今回は、渡部昇一立花隆朝日ジャーナル誌上で直接対決した「幕間のピエロ番外」を取り上げる4回目です。
 今回は、「番外」の第四回で立花隆渡部昇一に投げかけた4つの質問を取り上げます。
 番号で立花側の質問を表示し、その後に渡部側の回答、それに対する立花側の反論があれば、それも一緒に対話形式で載せました。質問番号は[1]からスタートです。
 立花側の発言は質問も含めて青字渡部側の発言は赤字で表示しました。

 また、これまでと同じく、わかりやすい対話形式にするために、両者の雑誌上での発言を簡略化していることもお断りしておきます。

【立花→渡部1】 
[1]これまでになされたデタラメな指摘のうち、渡部氏の反論のないものは、渡部氏もそれがデタラメであることを自認したものと受け取ってよいのか。

渡部「これまで立花氏が小生のデタラメと言ったきたものは、本号でも右であげた二例(「採ってきた尋問調書をそのまま証拠として採用」と「外為法死に法論」の二例)のごとく、少しもデタラメでない。100もデタラメがあると言うが、そんな主張を私は認めない」

立花「『100もデタラメがあるという主張を私は認めない』の掛け声一つで消してしまうのは論壇誌では通用しない。反論するなら、私の主張のどこが誤りか具体的に示したうえで『そんな主張は認めない』と言うべき。それがなければ反論にはならない」

[2]渡部氏が疑問点を集約した『借問す』の六ヵ条のうち、[1]~[4]はすでに反論済みだが、この反論をもって了とするのか、それとも再反論なさるのか。再反論があれば、そこから論点が明確になった論争が展開されると思うがいかがか。

渡部「『借問す』の六ヵ条の[1]~[4]は反論済みと言っているが、いずれも反論になっていない。例えば[1]の別件逮捕については右のごときものだった(渡部質問[9]に対する立花の回答のこと)。[2]~[4]についても、立花氏自身の考えが明らかにされていなかったので、この質問は今なお立花氏に向けられたままである」

[3]今後の議論の展開にあたっては、過去の論争の経過を踏まえ、きちんと議論の上に議論を積み重ねていくいという当たり前の論争の手続きをとっていただけるか。

渡部「『過去の論争の経過』の『過去』の意味が、本誌に40回ほど連載された立花氏のものを指すとすれば『論争』とは認めがたい。一審判決の一方的解説はあっても、立花氏の意見は少しも明らかでないからである」

[4]渡部氏は、これまで指摘された数々のデタラメにつき、誤った部分をきちんと削除した上で、誤りの原因を明らかにし、読者ないし迷惑をかけた方々に率直に詫びられるのはどうか。それとも、そういうことは人に要求しても、自分はやらないということなのかどうか。

渡部「立花氏の指摘したデタラメというのは全くの見当違いで根拠がないのだ。それについて、謝るとか削除ということは問題にならない」


<感想>
 今日取り上げた4つの質問、どれも質問というより、立花隆から渡部昇一へのダメ出しですね。しかし、そのダメ出ししようという気持ちが強すぎて空回りしてしまったようです。
 ただ、その中でも[3]の質問は「渡部昇一単純繰り返しの法則」へのストレートな攻撃ですが、渡部昇一は、あさっての方向に答えを返しました。それにしても、これまでの立花隆朝日ジャーナルの連載を「論争」と認めないとは大胆な宣言です。
 渡部昇一を始めとする裁判批判派への反論を書き連ねてきて、それに対し、再反論を試みた裁判批判派の中には渡部昇一も入っていたと思うんですが、それを「論争」として認めないとは、大胆に火に油を注ぐ人ですね。

 今日はここまで、続きは次回にします。


※ 有名な方は基本的に敬称略になっています。

 

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