別館第一倉庫

本館からロッキード裁判に関するものを移設しました。

続:ロッキード裁判を振り返る(その11)『渡部昇一から立花隆への質問2』

 「れんだいこ」氏のHPを見たことがきっかけで始まったこのシリーズ。今回は、渡部昇一立花隆朝日ジャーナル誌上で直接対決した「幕間のピエロ番外」を取り上げる2回目です。
 今回は、「番外」の第五回で渡部昇一立花隆に投げかけた5つの質問を取り上げますが、このうち3問は、最初の質問の[1][2][3]から派生したもので[1´][2´][3´]と表示してあります。
 前回同様、番号で渡辺側の質問を表示し、その後に立花側の回答、それに対する渡部側の反論があれば、それも一緒に対話形式で載せました。質問番号は【渡部→立花1】からの通し番号になっています。
 また、これまで同様に渡部側の発言は質問も含めて赤字立花側の発言は青字で表示しました。さらに、これもこれまで同じく、わかりやすい対話形式にするために、両者の雑誌上での発言を簡略化していることをお断りしておきます。

【渡部→立花2】
[1´]反対尋問なしで刑事被告人を有罪にするということが判例として確立することに立花氏は賛成しているように思われるが、それは本当か。
[2´]反対尋問の請求を「必要なし」と却下する裁判所の判例が出ることに立花氏は賛成しているようであるが、それは本当か。

立花「いずれも直接回答なし」

渡部「立花氏はこういう裁判のやり方が判例として確立することを少しも心配していないようであり、反対尋問請求却下も何ら問題にすべきでないと考えておられるようだ」

[3´]反対尋問の申請が「必要なし」として却下されたことを立花氏は『ロッキード裁判傍聴記』で報道しなかったのは、明らかにこの問題の軽視と見ざるをえないが、今でもこのことは報道に値しないと考えておられるように見えるが、本当か。

立花「直接回答なし」

渡部「反対尋問請求却下という刑事裁判の重大問題を、あれほど詳しい『傍聴記』の中で立花氏は言及されなかった。反対尋問の意義に対する認識がその程度だったということになる」

[7]ロッキード裁判において、立花氏は「有罪の推定」に立っておられるようだが、それは本当か。

立花「直接回答なし」

渡部「立花氏は『有罪の推定』に立っているとしか思われない発言をしている」

[8]立花氏は一審判決を絶対と見なし、それに沿わない意見を罵倒してきたので、万一、高裁や最高裁で一審と別の見解が出た場合にも、一審判決絶対の立場から高裁や最高裁の判決を批判されるだろうというのは本当か。

立花「直接回答なし」

渡部「立花氏の立場は要するに第一審不可謬説で固まっており、それに異見を抱くものたちにあらゆる罵倒を浴びせた。第一審の判決が、控訴審最高裁でひっくり返ることもある。そのとき、控訴審最高裁の判断を立花氏がどう罵倒するか、みんなで楽しみに見守ることにしよう」


<感想>
 立花隆側の「直接回答なし」が多くなってきましたが、質問がこれまでの繰り返しだったり答えようのないものだったりなので、答えるのが難しいですね。。
 例えば、[1´]の「反対尋問なしで刑事被告人を有罪にするということが判例として確立することに立花氏は賛成しているように思われるが、それは本当か」という質問では、立花隆朝日ジャーナルの連載第12回で「刑事被告人があらゆる証人に対し反対尋問権を持つという渡部氏の主張は正しい主張だが、それは原則であって、この原則にはいくつかの例外規定がある」と述べていることを全く無視して原則論を繰り返しています。12回で述べたことをもう一度初めから説明するのも無駄なので、回答しないのも仕方ないのかな、と思います。

 今日はここまで、続きは次回にします。


※ 有名な方は基本的に敬称略になっています。

 

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