続:ロッキード裁判を振り返る(その1)『まだこんなのがありました』
今回からは本館には載っていない別館独自のお話です。
この前、ロッキード裁判を取り上げた後、あちこち見ていたんですが、結構、「田中角栄無罪」論、「田中角栄はハメられた」論、「立花隆敗退」論が出回っていて驚きました。
検察に対する信頼は、何年か前の厚労省の村木さんなどに対する暴走があってから、すっかり崩れましたが、あの流れを遡らせて当てはめての「田中角栄無罪」論が多いですね。
「検察は証拠改竄までするんだから、あの時の角栄さんもそうやってやられたに違いない」的なことなんですが、これは、裁判の過程で論点になったことと、それがどう判断されて判決に至ったかという細かい点をすっ飛ばしての大雑把な類推でしかありません。
そうした中でも「これは、ちょっと…」と思ったのが、このサイトです。
<諸氏百家の角栄評考その7、反立花論客(渡部昇一、石島泰、井上正冶)考
「れんだいこ」という人のHPですが、書かれたのは4年前ですね。
この人はネット上で「カンテラ時評」というコラムを長く続けていて、その中でロッキード裁判を取り上げた回のものを、ひとまとめにしたのが上のページのようです。
とにかく、書いてある中身が凄すぎますね。この前取り上げた「岸田コラム」が随分まともに思えてきました。
論点としては、「岸田コラム」が示していた以外のものも幾つか取り上げていますが、何回分かのコラムを集めているので、同じ論点が何度も出てきてごちゃごちゃした感じがします。
それに、読んでいて首を傾げたくなる箇所が多いですね。
渡部昇一側に立って話を進め、立花隆に対しては悪口雑言のみ。
何故、あの論争で渡部昇一が立花隆をコテンパンにしたと思っているのか、さっぱりわかりませんが、ざーっと見た限り、立花隆の書いたものをあまり読んでいないようなので、渡部昇一の一方的な言い分だけを信じてしまったんでしょう。
渡部昇一の言うままに小室直樹や秦野元法相を高く評価しているようですが、これもどこまでわかって書いているのか心配になってきます。
読みやすいのは間違いなく渡部昇一の書いたもののほうですけどね。だって、中身が軽いですから。(笑)
この「れんだいこ」氏の発言については、いずれ見ていくとしても、まず、渡部昇一と立花隆の論争が実際どうだったのかをキッチリ残しておいたほうがいいようです。
ここまで来たら、乗りかかった船みたいなものなので、「岸田コラム」には無かった論点も含めて、両者の論争について簡単に書いておこうと思います。
でも、この「れんだいこ」氏のカンテラ時評は、簡単に書いておくだけじゃ済まないような気もするなぁ。
何しろ、読んでいても入り組んだ文章になっているので、わかりづらいんです。
まず整理が必要だと思いますが、収拾がつかなくなったら、途中で止める、なんてことになるかもなぁ…。
とにかく、今日は長くなったのでここまでにして、続きは次回ということで。
なお、記事のタイトルは、「岸田コラム」の時に「ロッキード裁判を振り返る」としたので、今回はその続編として「続:ロッキード裁判を振り返る」とし、内容がわかるようにサブタイトルを付けることにしました。
※有名な方は基本的に敬称略になっています。