別館第一倉庫

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続:ロッキード裁判を振り返る(その14)『立花隆から渡部昇一への質問2』

 「れんだいこ」氏のHPを見たことがきっかけで始まったこのシリーズ。今回は、渡部昇一立花隆朝日ジャーナル誌上で直接対決した「幕間のピエロ番外」を取り上げる5回目です。
 今回は、「番外」の第六回で立花隆渡部昇一に投げかけた31の質問を取り上げますが、31問もあるので数回に分けて取り上げます。今日は[5]から[10]までの主に議論の進め方について尋ねている質問を取り上げます。
 
 なお、前回と同じく、番号で質問を表示し、その後に渡部の回答、それに対する立花側の反論があれば、それも一緒に対話形式で載せました。質問番号は【立花→渡部1】からの通し番号になっています。また、前回同様に立花側の発言は質問も含めて青字渡部側の発言は赤字で表示しました。
 さらに、これもこれまで同じく、わかりやすい対話形式にするために、両者の雑誌上での発言を簡略化していることをお断りしておきます。

【立花→渡部2】
[5]私はこの論争を、すでに一年近くにわたって展開されてきた論争の延長上でなされるものと認識している。渡部氏の当初の反論申し込みもその趣旨であったと理解しているが、その理解でよいのか。それとも、渡部氏はゼロから論争を始めたいのか。

渡部「実質的には[3]の繰り返しである。『ゼロから論争をはじめたいのか』などと質問を発する前に、私の質問に答えてくれたらどうか」

[6]ゼロから論争を始めるというのでなければ、これまでの論争の経過をふまえ、議論の上に議論を積み重ねなければ意味がないと思うがいかがか。

渡部「実質上、[3]と[5]と同じ」

[7]渡部氏が番外①で立て、番外③で繰り返した四つの設問は、過去の論争経過を全く無視して、ゼロから議論を始めようとするものとしか思えないがいかがか。

渡部「実質上、[3][5][6]と同じ」

[8]これまで述べたところから見ると、渡部氏としては、嘱託尋問調書の証拠採用にかかわる問題と、その反対尋問請求却下にかかわる問題に論点をしぼりたい趣旨にうかがえるが、そう理解してよいか。

渡部「そんなことはない。私の質問を読み返してみられたい」

[9]その場合、渡部氏が最初にこの裁判に対する疑問点を三つに集約したうちの第一点(証拠評価と事実認定)、第二点(職務権限)については、敗北を認められるという趣旨か。また『借問す』の六ヵ条の疑問のうち[1]~[4]についてはすでに回答済みだが、それをもってよしとされるのか。それとも反論があるのか。

渡部「立花氏から私は答えをもらってないと言っている問題について『敗北を認めるか』という問いは意味をなさない。『借問す』の六ヵ条の[1]~[4]について立花氏はまだ答えていない。[2]に対する私の答えを参照」

[10]渡部氏がどうしても嘱託尋問調書の問題を先に論じたいなら、私の『大反論』と『再反論』を読んで、その議論の上に議論を展開してもらわないと無意味な論争になると思うがいかがか。

渡部「『黙って俺の質問に答え続ければいいんだ』などと私は言っていない。立花氏自身の意見を明らかにして答えてほしいと言っているだけである。そうすれば立花氏の議論の焦点が絞られて、論争が成り立つ」


<感想>
 渡部昇一の質問に対し立花隆が直接回答しないことが多いのは既に見ましたが、逆に、立花隆の質問に対し渡部昇一は既に答えている別の質問の回答を参照するよう指示するだけという対応を多用します。
 ここでも「[3]と[5]と同じ」とか「[3][5][6]と同じ」と答えていますが、結局、聞く耳持たずということだと思います。
 これでは議論になりようがありません。

 今日はここまで、続きは次回にします。


※ 有名な方は基本的に敬称略になっています。

 

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